2025年8月27日 公開
Time fliesという言葉もありますが、時間が経つのは早いものですね。つい最近年越しを終えたばかりだと思っていましたが、すでに夏、もう2025年も半分以上が過ぎました。本来であれば昨年末に仕上げたいと思っていた第5回の本ブログですが、こんなタイミングになってしまいました。。。ありがたいことに、社外の人からも”blog見ました”と言われることが時々あります。”まだアメリカにいますよ!”ということを示すためにも、このblogを続けたいと思います。
なお、このブログ初回は2021年であり、当時は”日本と米国の違い”を日本視点で考えることが多かったのですが、社会人生活のみで考えると、サンノゼで過ごした時間は日本で過ごした時間と同程度になりました。そのため、米国視点で感じる違いもちらほらと出てきました。また、こちらで過ごした時間も長くなり、考えること、悩みも大きく変化したように思います。今回はその悩みのひとつである、子供の教育、アメリカでの学校生活(Elementary School)に関して触れていきたいと思います。
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米国駐在員が感じた日本とアメリカの違い(Part5)~北米の学校生活~
今回はアメリカの学校生活に関して少しお話できればと思います。考え方の違いや、実際は違うという場合もあるかもしれませんが、一例としてお伝えできればと思います。
まず、サンノゼの場合、駐在員家族の子供はアメリカの現地校に通います。サンノゼには日本人学校というものは無く、現地校でアメリカの教育を受けます。ただし、アメリカには日本語、日本教育の補習を目的とした学校がある地域もあります。サンノゼの場合、主に2つあり、土曜日に通う補習校 or 平日2日間夕方(3:45pm~6:45pm)に通う補習校があります。限られた短い時間で日本の勉強を実施すること、現地校に通いつつ補習校に通うことは、親、子供ともに大変です(電車や自転車を使い、子供のみで通うことができない・・)。ただし、いつか日本に帰らなければいけない駐在員家庭としては、日本の教育をおざなりにできないという考えもあり、家族一丸で頑張られているご家庭も少なくありません。また、勉強以外、習い事(スポーツ、音楽、その他)をされるお子さんもいらっしゃいます。場合によっては平日練習、週末に試合となるなど、日本の教育と両立させていくことは簡単ではありません。
※以降、アメリカのElementary Schoolを現地校、日本教育の補習を目的とした学校を補習校と表現します
次に、現地校に関して少し触れてみたいと思います。当然ながら、私は現地校に通っていません。サンプル数は1なので参考程度、かつ感覚的な話となりますが、現地校は以下とのことでした(小学4年生の所感です)。
・現地校は遊びながら学びましょうという感じ。
・何かを作ったり(クラフト)、アクティビティを通して学ぶなど、体験型のことが多い。
・PCを使ったライティングもあり。(小学3年生で少しタイピングができる)
・グループワークで行うPBL(Project Based Larningの略で、学生が主体的に調査、活動、発表を行う学習方法)が2nd gradeからあった。
・タレントショーというイベントが有る。(自分が見せたい特技を全校生徒の前で発表するイベント、発表するかどうかは任意)
私の長女の場合、現地校は楽しいようで、早く学校始まって欲しいと言っています(夏休みが長くて暇なのもあり)。補習校は漢字テスト、算数のプリントなどなど、”本格的な勉強”と表現しており、2つを比較すると差がありそうです。また、現地校は運動会、マラソン大会などもありません。音楽会は日本のような感じではありませんが、学年が上がると小さな発表会がありました。さらには体育館も無く、プールもありません。さらには入学式も無いので、入学初日は子供を送り届けてお終いです。良くも悪くも、ラフな感じですね。
一方、補習校ですが、ありがたいことに入学式、運動会を実施してくれています。日本のイベント、日本語での学び、日本的な遊びを体験できるのはありがたいです。
その他、勉強ではありませんが、クラスメートの誕生日会やPotluckパーティ(参加者それぞれが料理や飲み物を持ち寄って開くパーティー)、Sleep Over(お泊り会)することもあります。ここベイエリアは様々な国にルーツを持つ方が多いので、Potluckでは日本以外の家庭料理を食べる機会もあります。
親としては、自分の幼少期とはくらべものにならないほどの経験ができているなぁと思う一方、日本の勉強に遅れないようにすることが難しく、そこに苦労、悩みがあるというのが本音です。
ちなみにアメリカの学校ですが、日本と違い、8月にスタートです。6月前半から約2ヵ月ある長い夏休みを経て、8月から新学期がスタートです。この4か月の違い、日本とのズレがあるため、日本だと同じ学年の子が、アメリカだと違う学年になるということがあります。具体的には、私の長女は12月生まれなので日本では小学4年生、アメリカの現地校では8月から4th gradeですが、例えば5月生まれの同級生(日本の学年で考えた場合)の場合、補習校は小学4年生、現地校では5th gradeとなり、別の学年になります。
なお、アメリカのElementary SchoolはKindergartenから始まり、5th gradeまでです。そのため、誕生日によっては日本の5年生からMiddle Schoolに通うことになります。感覚的に、Middle School=中学校みたいなイメージがあるので、もうMiddle School?というように感じることがあります。私の次女も5歳になったばかり、日本だと年中さんにあたりますが、8月からElementary Schoolに通います。年中さんが小学校に通うようなイメージであり、家でのふるまいを見ている限り、ちょっと心配です。
子供の英語、日本語ってどうなの?っと気になる方もいらっしゃるかもしれませんので、少し記載したいと思います。こちらも様々なケースがあるかと思いますので、一例として参照ください(我が家の話をベースにさせていただきます)。
まず、家庭内のコミュニケーションですが、基本的に日本語です。私の家の場合、長女が1歳10か月のときに渡米、次女はアメリカ生まれです。長女は渡米前からおしゃべりな性格、日本語をよくしゃべる幼児でした。2歳半ぐらいからプリスクールに入り、そこで初めて英語の環境に入ることになりました。プリスクール(就学前教育)ではアルファベットやフォニックス(スペルと発音の関連性)の学習をするので、卒業する頃にはある程度英語に慣れている様子でした。その後、Kindergartenに入り、紆余曲折は少しありましたが、現在はお友達との会話、学校の授業で困ることは無さそうです。もちろん英語ネイティブのお子さんとはボキャブラリーは違いますが、私でも知らない単語を知っているなど、娘から教えてもらうことも多くなってきました。一方日本語ですが、長女の場合、日本語も問題無く読み書き、しゃべることができています。学校と日本のお友達のおかげだと思います。なんとなくの感触ですが、頭の中の日本語:英語の比率は6:4ぐらいな感じがします。
次に次女です。次女は長女と少し事情が違いそうです。次女も2歳半ぐらいからプリスクールへ通い始め、現在5歳になりますが、英語の方が楽そうです。次女の場合、好んで見る動画も基本的には英語、また寝言も英語です。親に対しては日本語で話かけますが、姉(長女)とは英語で話をしていることが多いです。知っている単語、数字なども踏まえると、現時点英語の方が得意です(例えば動物などは英語ではわかるが日本語ではわからない)。日本語ももちろん理解、話すことはできます。少しだけカタコト、ヘンテコな日本語に感じるようなときもあります。頭の中の日本語:英語の比率はおそらく2:8ぐらいでしょう。長女の5歳の時と比較しても、英語は文法、発音、ボキャブラリーいずれも良くわかっています。現地校の生活は大丈夫そうですが、今後日本語を学ぶ際、少々苦労しそうな予感があります。
アメリカ生活での英語、日本語のバランスですが、個人の性格、そしてお友達や周りの環境などなどに影響されそうです。大人からするといきなり英語の環境に放り込まれるのは怖いと思ってしまうのですが、子供の場合、順応は早かったように思います。周りのお友達も優しく接してくれますし、日本人以外もネイティブスピーカーでない家庭も多く、英語の上手い、下手はあまり関係無いのかもしれません。もちろん子供なりの苦労は大きかったかとは思いますし、将来の不安や心配も大きいですが、今が楽しければ良しとしたいと思います。
現地校の夏休みは6月上旬から8月中旬まで、2ヵ月以上あります。その間、現地校は宿題がありません。夏休みの間はSummer Campと言って、スポーツやプログラミング、その他様々なことを学ぶ講座に参加するお子さんもいらっしゃいます。(もちろん有料で高額です。。。)また、この時期に日本へ一時帰国される方も非常に多いです。日本への一時帰国中、日本の学校へ通われる方もいらっしゃいます。
補習校は2週間ほど夏季講習がありました。また補習校は夏休みの宿題もあります。宿題の内容は作文や自由研究といったもので、日本の皆様と同じような宿題になります。子供たちも大変ですが、宿題のお世話をする親も大変ですよね。。。長女の今年の作文テーマですが、夏休み中に、現地女子プロサッカーチーム、Bay FCのエスコートキッズ(選手と手を繋いで入場する)をする機会があったので、そこで体感したことを書いていました。そして自由研究はこれからです。
さてさて、ここでは自由研究に関する話を少しさせてください。
夏期講習にて、電池でモーターを駆動し、車を動かす工作をしていました。かなり簡易的なミニ四駆みたいなものです。そこでは電子のプラス、マイナス、接続を学んでいるようでした。電子工作を使った自由研究も子供の興味を引くことができるかもしれません。
そこで、当社の製品で自由研究に使えそうなものを以下にピックアップしてみました。
マイクロ波センサーモジュール(WaveEyes) |
動体検知、人感センサーや距離計測センサーなど、多種多様なセンサーがございます。マイクロ波センサーは他のセンサーと比較し、雨や霧などの外的影響を受けないこと、また測定距離の長さなどが特徴です。身近な用途ですと、人が近づいてきたらオンになるライトなどへ使用できます。何かを動的なものを検知する自由研究に使えるかも。 |
光半導体デバイス |
ポジションセンサーやフォトディテクタ、面白いものだとタッチレスセンサーなどがあります。タッチレスセンサーは近接センサーとして使え、手が汚れている場合など、ボタンにタッチすることなくボタンを押すことができます。また照度センサーは明るさを数値化することができます。秋が近づくにつれ、日が落ちるのが早くなったなぁと感じるかと思いますが、日が落ちる時間はどのように日々変わっていくのか観察することに使えるかも。 |
エナジーハーベスティング(電源IC) |
電池無しで回路を動かすことができます。太陽電池を接続いただき、2次電池へ充電することでバッテリーレスのシステムを構築できます。電池って交換頻度は多くないかもしれませんが、欲しいときに無い場合もありますよね。バッテリーレスにしてしまえば電池交換を考える必要ありません。例えばですが、バッテリーレスのリモコンなども作れるかも。 |
RIoT環境センサーボード |
太陽電池を接続いただくと、太陽光から2次電池に充電、バッテリーレスで駆動することができます。 |
例えばですが、エナジーハーベスティングICを使い発電、その電力にて光半導体を駆動、外の明かりをモニターしある一定の暗さになるとRIoTの電源オン、RIoTのセンシング信号およびマイクロ波センサーモジュールにて動体を検知するとライトをオンにする、などの自由研究はいかがでしょうか?
冒頭、”米国視点での日本との違い”ということを書きましたので、ひとつ記載したいと思います。
コンビニでの決済方法に関してです。今年の日本出張時、少しだけ恥ずかしい体験がありました。
アメリカの場合、Self-checkout(店員さん無しで購入できる)があるお店もあります。もちろんSelf-checkoutは自分でバーコードリーダーを通し、支払い、袋詰めまで自分のみで実施します。レジ担当の方はいますが、複数のSelf-checkout機を担当しており、何かあればサポートするという感じです。一方、有人のレジももちろんあります。有人のレジは、従来の日本同様、店員さんが支払いまで対応してくれます。
今年の日本出張時のことですが、某コンビニに行きました。レジで店員さんにテキパキと対応いただき、支払いとなったので、お金(現金)を店員さんに渡そうとしたところ・・・『お支払いはこちらで』ということで、”支払いのみ”自分で実施しなければいけないことに気づきました。もちろん、昨年一時帰国した際も同じシステムだったので把握していたことだったのですが、日本出張初日ということもあり、そのシステムを忘れてしまっていました。日本ではすでに浸透されたシステムかと思いますので、私がお金を渡そうとした瞬間、店員さんも”えっ?!、今時そんな人いるの?”と思われた様子でした。。。
”店員さんがいて、最後の支払いだけは自分で実施”というのはアメリカでは無く、頭の中にイメージが無いことでした。ただ日本の場合、支払い方法が現金、クレジットカード、電子マネー、交通系ICカード、などなど多様化しているので、支払いを自分で実施するのは効率的ですね。特に現金支払いの場合、お釣りが自動で出てくるのは楽ですよね。来年までしっかり覚えておきたいと思いました。
ちなみにですが、米国の場合、スーパーマーケット(グローサリーストア:食品や日用品を中心に販売する小売店)では店員さんが袋詰めしてくれます。日本だと袋詰め専用の場所が設置してあり、そこで自分で実施されているかと思いますが、アメリカだとレジで実施です。日本同様、レジ袋は有料なので、持参したエコバックに自分 or 店員さんで購入したものを詰めます。
という感じで、今回”学校”をテーマにお話しさせていただきました。また夏休み終盤、自由研究どうするの?と悩まれているご家庭もあるかと思います。日清紡マイクロデバイスのICを使った電子工作もおススメですので、ぜひご検討ください。
といったところで、Part 5も締めたいと思います。次回またPart6にてお会いしましょう。バーイ。
※過去の記事はこちら:
第1回: 米国駐在員が感じた日本とアメリカの違い(Part1)~-50℃対応IC~
第2回: 米国駐在員が感じた日本とアメリカの違い(Part2)~自動運転~
第3回: 米国駐在員が感じた日本とアメリカの違い(Part3)~北米の鍵事情~
第4回: 米国駐在員が感じた日本とアメリカの違い(Part4)~日本での工場監査~