こんにちは、私の名前はハンス・アダムスです。現在、日清紡マイクロデバス "ヨーロッパオフィス" に勤務しています。最近、日清紡マイクロデバイスの英語ブログサイトの編集長から、”欧州在住のコンテンツライター募集”、の話を聞き、コラムを書くことになりました。欧州チームの長年の従業員として、この部門の歴史と過去にさかのぼり、初期の頃と比較して私達が達成したことを書いていきたいと思います。
欧州オフィスの立ち上げ
2000年のある日、日清紡マイクロデバイスに統合する前のリコー電子デバイスは、欧州地域には潜在的な顧客が多く、ビジネスを拡大すべきと考え、現地の顧客をサポートするために新しくヨーロッパオフィスを設立することを決定しました。
私のマネージャー(当時の)は、オランダのアムステルフェーンに拠点を置くリコーヨーロッパの半導体サポートセンター立ち上げのため、ヨーロッパに派遣されました。私が入社する前の話です。
まもなく、この部門には多くの業務と責任があるため、アシスタントが必要であることがすぐに明らかになりました。お客様を訪問してリクエストをフォローアップし、現地の販売代理店と連絡を取りながらサポートし、また当社のブランドと製品を宣伝するマーケティング活動ができる、アプリケーション エンジニアが必要でした。これが私がリコーヨーロッパに入社したきっかけです。
私はオランダで20年間、フィールドアプリケーションエンジニア(FAE)として実務経験を積んできましたが、2001年3月にリコーヨーロッパに入社してからも、さまざまな業務はやりがいがありながらも、多くのことを学ばなければなりませんでした。
まず、英語でのコミュニケーションは可能でしたが、日常的な経験が不足していました。そのため、初めて英語でメールを書くのに半日かかり、昼頃になっても、Outlookの送信ボタンを押すのをためらうほどでした。
幸い、経験を積んだこともあり、最近はメールを書く時間はグッと短くなりました。
最初の頃は、国際的な仕事をするためには、完璧な英語力が必要だと考えていました。ところが、月日が経つにつれて、英語が完璧な人などほとんどいないこと、私たちは皆、それぞれの方法でコミュニケーションをとっていることがわかってきました。
ただし、最も重要なのは、たとえ文法やスペルの間違いがあったとしても、しっかり自分のメッセージを他の人に伝えることです。
とはいっても、文書を翻訳する Google や DeepL、自動翻訳された字幕を備えた YouTube、テキスト読み上げツールなど、そして、急速に成長して間違いなく 有望になる、ChatGPT など。。。現在では、日常業務を支援するために利用できる翻訳ツールが数多くあるため、伝えることは、さらに簡単になっています。
私が入社して最初の1週間は、日本人の同僚が彼らのエレクトロニクス事業について私に教えてくれる時間は全くありませんでした。というのも、彼らは、キプロスの代理店向けの最初のヨーロッパ セミナーのためのプレゼンテーション準備とその資料の印刷に忙殺されていたからです。その代わりに、彼らは少なくとも 800 ページある 2 冊の分厚いデータブックを私に渡し、彼らが不在の 1 週間の間にそれを読むように言いました。 まあ、私は新人なので特にその指示に対してコメントすることはしませんでしたが、データブックを読むのは電話帳を読むのと同じで、技術データ、パラメータ、仕様が満載でした。
確かに、この本にはハッピーエンドのエキサイティングな物語はありません…でしたが、彼らが帰国した後、私にハッピーな知らせもありました。私が研修のために日本の品川オフィスに行くことになったのです。実はこの旅(研修)で、私は驚くほど新しい世界を体験することができましたが、これについては次のエピソードで書こうと思います。
当時のリコー電子デバイスの品川オフィス
電子デバイス製品の写真作成における過去と現在の比較
さて、入社から数カ月後、上司からエレクトロニクスの業界誌で新製品のプロモーションを始めるように言われましたが、これも私にとって新しい挑戦でした。
私は、重要な特徴を含めた製品を強調する文章を書き、素敵な製品写真を掲載しなければなりませんでした。2001年当時、出版社は少なくとも300dpiの高解像度画像を求めてきました。検討した結果、私はいくつかの製品サンプルとリコーの "先進的な"デジタルカメラを手配しました。
というのも、WLCSPパッケージ(R1113Z)の寸法が1.29×0.79mmという当社初の極小製品の写真を撮らなければならなかったからです。
しかし、私はこの仕事を完全に見くびっていました。
簡単に言うと、購入したカメラでは、そのような小さな物体に焦点を合わせることがほとんどできず、撮れた写真は、何度も挑戦したなかの、数少ない幸運なショットにすぎませんでした。 背景は、特定の方向に光を当てると色鮮やかに反射するのが好きなので、CDを使いました。 パッケージは、影を作るために CD の少し上のガラスの上に置きました。
私はしばらくの間、このテクニックを使用してサンプルを撮影していましたが、撮影に時間がかかるし、写真は思ったような仕上がりにならないし、毎回サンプルを取り寄せなければならないので、完成までに時間がかかるという問題がありました。
実際に撮った写真(R1113Z LDO)
現在では、一般的にすべての半導体パッケージは、挿入実装タイプから、手でほとんど扱えない小型の SMD タイプに変更されているため、非常に異なるアプローチをとっています。
より良いカメラと適切なレンズを購入することも考えられますが、これほど小さなパッケージを拡大すると、ちょっとしたゴミなども目に見えてしまいます。
最良の選択肢は、コンピューター上で製品画像を作成するための 3D ソフトを購入することでした。これは非常に便利です。
今ではあらゆる種類のパッケージ画像をデザインすることが可能になり、描画のすべてをコントロールすることができるようになりました。 これらの3D イメージは、当社の Web サイトや出版物で見ることができます。 もちろん、ソフトウェアRhino3D に慣れるまでには大変ですが、一から十まですべてを学ぶ必要はありません。現在では、アニメーションの動画イメージや、中身が見える透明なパッケージ画像を作れるようになりました。
製品画像を作成する3Dソフトウェア
さまざまなスキルが必要なデジタルマーケティング
私たちの仕事のやり方はマーケティングの観点から時間ともに進化してきましたが、今では、もっと複雑になっていることを知りました。マーケティングは、最も効率的な方法で製品を宣伝するスキルだけでなく、記事を書くために製品を理解し、エレクトロニクス業界でよく使われる技術用語を理解し、そして様々なデスクトップ パブリッシング ツールを扱う知識と技術も忘れてはいけません。 だからこそ、この仕事は刺激的で、決して退屈ではなく、毎日が何か新しいことへの挑戦です。
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