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48Vでノイズも気になるんです…両立のコツは?~低消費×高イミュニティに高電圧も~

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前回、先輩Aさんから“ノイズに強いLDO”を紹介してもらった新人B君。
どうやらお客様から「もっと高い電圧でも使いたい」というご要望があったようです。

 

2026年03月19日 公開

教えて先輩!シリーズ 第20回

48Vでノイズも気になるんです…両立のコツは?
~低消費×高イミュニティに高電圧も~

 

 

 

前回の振り返り ~ノイズに強いLDO~

New_employee_B_smile新人B
前回、ノイズに強いLDOの設計思想について紹介してもらいましたよね。

senpai_man_egao先輩A
そうだね。ノイズを受けても誤動作しにくい、いわば「ノイズに強いLDO」という考え方を伝えたね。

New_employee_B_smile新人B
教えていただいた内容をお伝えしたお客様から、「同じ特長を持つ、高電圧に対応した製品はないのか?」という質問をいただくことが増えてきました。

senpai_man_egao先輩A
確かにそういうお客様もいらっしゃるだろうね。

business_man1_4_laugh11新人B
低消費電流で、高ノイズイミュニティ*、かつ高耐圧ってことですね。
*ノイズを受ける側の考え方。他の機器から発生した電磁妨害を受けても正常に動作する。

 senpai_man_egao.png先輩A
そうだね。ひょっとしたら、そのお客様は、車載向けの48V電源に使いたいのかもしれないね。 

 

 

 

なぜ車載電源で48Vシステムが注目されているのか

kouhai_man_gimon新人B
そうなんですか?!車載電源って12Vではないのですか?

senpai_man_egao先輩A
いや、最近は電動化や自動化の進展で従来の12Vシステムから48Vへ移行して、高耐圧製品の需要が増えているんだ!
同じ電力を供給する場合、電圧を4倍にすると電流は1/4になるから、電流損失や発熱を抑えられ、配線(ハーネス)も細く、軽くできるんだ。
つまり、システム全体の効率向上やコスト削減に繋がるというメリットがあるんだよ!

 

48V_app
図1 48Vシステムのアプリケーション分野

48V-system_merit
図2 48Vシステムのメリット

business_man2_11新人B
なるほど!だから48Vシステムの需要が増えているんですね。

senpai_man_egao先輩A
ただ、いいことばかりじゃなくて、48V環境だとスイッチング電源のノイズが大きくなってしまうんだ。
そのノイズを受け止めるには、高いノイズ耐性、いわゆるノイズイミュニティが必要になる。

 kouhai_man_gimon新人B
でもノイズに強くすると、消費電流が増えがちですよね。これってどうしてなんですか?

  senpai_man_egao先輩A
理由は単純で、ノイズよりも強い信号を作る必要があるからなんだ。
回路は電流を使って、信号を作っているので、信号を強くするとその分電流も多く必要になるんだ。

  kouhai_man_gimon新人B
信号を強くするというのはどういうことですか?

  senpai_man_egao先輩A
例えば小さな声で話していると周りがうるさいと聞き取れないよね。だから大きな声で話す必要があるよね。同じように、回路でも周りにノイズがあると信号が埋もれてしまうんだ。
そこで信号をはっきりさせるために回路を強く動かす設計にするんだよ。

   kouhai_man_gimon新人B
回路を強く動かすというのは電流を増やすということですか?

   senpai_man_egao先輩A
そう。トランジスタや回路をしっかり動かすためには、ある程度の電流を流す必要がある。電流が少ないと信号が弱くなり、ノイズの影響を受けやすくなるわけだ。

  business_man1_1_smile11-1新人B
つまりノイズに負けない信号を作るためには電流を増やすということですね。

 senpai_man_egao先輩A
その通り。だから回路設計では、「ノイズ耐性を上げると、消費電流が増えやすい」という関係があるんだ。
つまり、

  • 低消費電流にするとノイズイミュニティが下がる

  • ノイズに強くすると消費電流が増える

このトレードオフがある。
だから電源ICやセンサ回路などでは、ノイズ耐性と消費電流のバランスをどこで取るかが設計の重要なポイントになってくるんだ。

  business_man1_1_smile11-1新人B 
なるほど。48V対応LDOだと、そのトレードオフがより厳しくなるわけですね。

 senpai_man_egao先輩A
その通り。
だから48V環境では「低消費電流」と「高ノイズイミュニティ」を両立できるLDOが求められているんだ。

≫ 関連リンク:48Vシステムに関する解説

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詳しくはこちら

 

 

 

48Vでも低消費電流 × 高イミュニティを両立するには?

   kouhai_man_gimon新人B
先輩、
その“両立が難しい特性”って、実際の製品ではどれくらい違いが出るんですか?

  senpai_man_egao先輩A
ノイズイミュニティと消費電流がどのような関係にあるのか、まとめた図があるから見てみよう。

  business_man1_1_smile11-1新人B
図があると分かりやすいですね!

  senpai_man_egao先輩A
うん。縦軸と横軸の関係を見れば、どの位置にある製品が高性能かが明確になるはずだよ。

図3 48V対応製品での同社製品(青丸「R1560」「R1561」)と他社製品(灰色)の特性

 

 business_man1_1_smile11-1新人B
縦軸がノイズイミュニティ[dBm]、横軸が消費電流[μA]ですね。

 senpai_man_egao先輩A
その通り。縦軸は高いほどノイズイミュニティが高い。横軸は左に行くほど低消費電流を表しているよ。
つまり、左上にあるほど高性能ということだね。

  business_man2_11新人B 
なるほど!そして、灰色が12V対応製品で、青色が48V対応製品ですね。 
あ、青丸で示されている自社製品は、他社製品よりもノイズイミュニティの性能が高いですね。

 senpai_man_egao先輩A
うん、それがR1560R1561だよ。
R1560とR1561はともに48Vを超える、最大動作電圧60VのLDOなんだけど、それぞれ特長があって、R1560の方は3.0uAの超低消費だから、システムの低消費化に貢献できるし、R1561の方は過渡応答が優れているから、安定した電源が必要なシステムに、重宝されるんだ!
そして図からも分かるように、2製品とも、48V対応の高耐圧LDOでありながら、低消費電流領域に位置し、約30dBmの高いノイズイミュニティを確保していることが分かるね。

  business_man2_11新人B
すごい!両立できていますね。

 senpai_man_egao先輩A
その通り。
多くの製品は、どちらかの特性が背反関係にあるけれど、
R1560/R1561はこの課題を改善しているんだ。
さらに48V対応でありながら、12V品と比べても遜色のない性能を実現しているんだ。

 business_man1_1_smile11-1新人B
それはすごいですね。高耐圧化しても性能が落ちていないですね。
だから48V環境向けとして価値がある、というわけですね。

 senpai_man_egao先輩A
その通り。低耐圧のR1525で培った【低消費電流×高イミュニティ】という設計思想を48V領域まで広げた製品なんだ。 

  business_man1_1_smile11-1新人B
高電圧環境でも、安心して使える電源が作れるということですね。

  senpai_man_egao先輩A
そういうことだね。
ただ、LDOは電位差がそのまま損失になるから発熱しやすいんだ。
だから大電流用途には使いにくく、注意が必要だよ。

 business_man1_4_laugh11新人B 
わかりました!気を付けます!ありがとうございました!

 

48V対応電源で、ノイズ耐性と低消費電流を両立したい方に、R1560/R1561 をご提案します。

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おしえて先輩委員会
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日清紡マイクロデバイスのマーケティング担当者がFAE(Field Application Engineer)や企画担当者、品質保証担当者のダメ出しを受けながら書いています。 エンジニアの皆さんには当たり前の内容だとは思いますが、初心者の皆さんに少しでもエレクトロニクス分野に興味を持っていただければ幸いです。

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